銀行から食品メーカーへの転職

私は銀行から食品メーカーに転職しました。 銀行では主に法人融資の業務をしていました。お客さんに設備投資や事業用の資金融資がメインの業務です。 あくまで銀行での仕事は主役ではなく、お客さんのための縁の下の力持ちのような存在です。 担当先の企業に資金が必要な場合には、与信調査や担保調査を厳格に行ったうえで返済が必ずなされる先にしか融資をしません。

私は銀行で働く中で、自分たちが痛い目をみない銀行の業務がアンフェアな感じをずっと感じていました。リスクを抱えつつも新しい分野にチャレンジをしたいと感じ転職をしようと決めました。新卒の就職活動の時に食品メーカーを中心に回っていたこともあり、私は異業種の食品メーカーへ転職しました。

銀行というのが特殊な仕事であったこともあり驚くことはたくさんありました。 銀行では預かったお金を扱っており、業務での規定は非常に細かく決められていました。

業務に必要なほとんどのものを外に持ち出すことができません。 そのため外回りをしていても事務作業をする際には一度支店に戻らなければなりません。 私は銀行でも食品メーカーでも営業の仕事をしていましたが、食品メーカーではPCを外に持ち出して空いた時間に喫茶店に入って仕事が出来るというのはとても効率的に感じました。もちろん出張先でもメールをいつでも送れて便利な半面、常に監視されているように感じることもありました。

また、仕事をする上での心がけでも全く違う点がありました。 銀行ではお客さんから預かった預金を融資してその利ザヤが主な収益となります。 もちろん総預金額は総融資額よりも大きくなるので、お金が余っている状態になるのですが、余った分は運用にまわして収益を出します。 そのため仕事をする上で在庫に気をつけるということはまったく気にしません。 預金でも増えれば増えるほど銀行としては収益につながります。

食品メーカーでは賞味期限もあり、在庫を抱えるリスクを常に考えておかなければいけません。作ったものを売ってしまわなければ廃棄するためのコストもかかってしまいます。 私の働いている会社では新商品の開発会議には営業も出席するのですが、新しい商品を社内で提案するときには、いくら作ってどれだけ売れる見込みがあるのか、製造量をどのようなペースで増やしていくかというのを意識しなければいけませんでした。 会議でも上司からは具体的な数字のイメージを常に求められていたので、常に考える癖がつきました。以外にも銀行の営業では頭よりも足を使ってどれだけたくさんの契約を取るかということだけを考えておけば良かったので、その面では楽でした。

在庫が余ってしまうこともいけないのですが、もちろん一番いけないのは在庫が切れてしまうことです。私の働いている会社では原料を中国等の海外から持ってくることがとても多く、港湾のトラブルで原料の輸入が滞ってしまうこともありました。私の担当しているお客さんへの納期をずらしてもらったことも何度もあります。 納期を遅らせるというのも銀行の時にはなかった感覚です。食品メーカーでは納期の交渉や価格や規格の調整等の一般的な営業の仕事以外にもしなければいけないことがたくさんありました。

最近では食品メーカーの不祥事も多く、その度に衛生管理をどのようにしているかの回答文書を求められることも多かったです。また規格書というものを原料の仕入れ先、販売先と締結しており、年度毎に更新をしなければいけません。作成は品質保証部というところでしてくれるのですが、規格書内容をお客さんと調整するのは営業の仕事です。そのため食品に関して菌数や分析方法等の専門知識が必要になり毎日が勉強です。